「境川のガスタンク」という呼称で長いあいだ大阪市民に親しまれた大阪ガス会社の二代目のガスタンクは球形である。
初代のガスタンクは石炭による発生ガスを溜めるタンクだったので、円筒形であった。その第一号のガスタンクは明治三十八年に三層基柱式ガスタンクとして完成し、百万立方フィートの容量はスエズ以東では最大規模のガスタンクといわれ、長く工業都市大阪の象徴であった。特に西長堀川に高速道路が架かるまでは道頓堀川の戎橋上の正面にガスタンクが望まれた。
そして、都市中心部でのガスタンクは不要になってきた。今、その広大な敷地は新たな時代を迎えて、多目的施設のドームスタジアムの建設に向かってスタートが切られた。数年後には地下鉄も稼働し、賑やかな新名所の誕生が予想される。 |