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49.立売堀の工具集団
大企業も軒を並べる旧阿波座地区
三百八十年の伝統にゆるぎのない鉄屋の町
立売堀の北岸沿いには、古来、鍛冶町・釘屋町・立売堀鉄町・古金町という町名があり、十八世紀には、和鉄商の業者集団が商いをしていた。地域的には阿波座であるが、現在では町名も立売堀になっている。そこでは、鍛冶屋集団が錨や鋤鍬(すきくわ)鍛冶の仕事に従事していた。鉄鉱石は主に銑が山陰の石見から、鉄が出雲・伯耆から北前船により運ばれた。
戦災復興期の工具集団の町並
近代産業が育った明治三十年前後になると、船具商と軒を並べてガス管・水道管を扱う業者がこの地に台頭し、同時に管をつなぐ継手・バルブコック・鋲螺・ポンプ類、工事用の工具類が取り扱われるようになった。また、大正期に大阪臨海部が重工業地帯になると、船舶用の機械工具が大量に輸入され、爆発的に機械工具商が成長し、昭和十年代には千軒もの工具商が林立した。機械工具としての多業種にわたる商業集団であり、業種間の関連が深いので今も「鉄屋の町」としてのイメージが強い。
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