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10.安治川沿いの倉庫  
地盤沈下による道路の嵩上げで
軒庇が低くなった倉庫
大阪の物資流通の原点 今なお息づく富島関税
 
 江戸時代から大坂の水運の要衝として賑わった安治川(30頁参照)とその川沿いは、明治初頭、川口に外国人居留地が設けられ、開港場となったこともあって急速に整備された。居留地の主軸が神戸に移ると中国との貿易の拠点としてさらに賑わいを増した。日本郵船大阪商船・尼崎汽船部その他の船会社の倉庫と船舶業者、輸出入貨物取扱業者が軒を並べ大阪税関富島出張所とともに特徴のある町並みを作り上げ、往時は大阪周辺地域からの貨客のほとんどがこの地を経由して市中に出入りした。
往時の川口波止場の賑わい
 戦後も一時期、船会社の倉庫が活発に稼動し臨港地域の使命を果たしたが、安治川河口の拡張と整備が進むにつれて臨海地帯の景観を生かしたリバーフロント開発が叫ばれるようになった。
 
9.川口居留地跡 ← 10 → 11.大阪厚生年金会館



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